どこ見てもニラ

140字以上の独り言です。

10年くらい前はメイドさんだった

もう大分落ち着いてますけど未だにメイド喫茶っていう文化根強いですよね。私もコンカフェ通いは好きです、今一番推してるのは池袋のワンダーパーラーです。推してる子がいるってわけではないんですけど、ワンダーパーラーの雰囲気がすごく好き。本当にメイドさんにお給仕されてる感じがある。ロングスカートのスタンダードメイド服に様々な紅茶のメニュー。「メイド喫茶っておまじないかけられたりオムライスに落書きしてもらったりするんでしょ?」って言ってくる子に「どうでもいいからワンダーパーラー行け」と言うくらい推してます。

もちろんオムライスに落書きしてくれる系のアイドル的メイド喫茶も好きです、メイド喫茶ぴなふぉあは今でいう一号店しかなかった時代から通ってました。推しちゃんもいましたし、何なら一人でも行ってました。一人で行って推しちゃんがいたら結構頼む。当時はオフィシャル本がお店で売ってたので、買った時推しちゃんにサインもらいました。懐かしい。ピンクの制服めっちゃ可愛い。

 

メイド喫茶というものがアキバにあるってのを知ったのは高校生の時でした。上京するの夢見てて、上京したときにオタクなのを活かしてバイトとかできないのかなぁ?まんだらけとかアニメイトとか……って探してたらメイド喫茶とかいうところは自分がメイドとして働けるらしい!すごい、すごいぞこれは!

今でも覚えてるのですがその時見たHPはメイリッシュさんで、ありささんというレジェンドオブメイドさんでした。ありささんには実際メイリッシュに行った時、お給仕して頂いたことあるんですけどオーラが違った……さすが。

 

とにかくメイド喫茶という文化があることを知って「バイトするならメイド喫茶で働きたい」願望を脇に上京しました、本来の目的は映像系専門学校だったんですけどやっぱね、都会に行ったらやりたいことたくさんあって。地元では中々ない推しCPオンリーのイベントとか、コスプレオンリーイベとか(当時は地元で地味にレイヤーをしていました)田舎者オタクからすると憧れでしかないのですよ。ていうか秋葉原秋葉原に行きたい!全力でオタクがしたい!こうやって書いてると自分って本当昔からオタクだったんだな……ってしみじみ思う。

当時メイド喫茶はめちゃくちゃありました、ピンキリで。アキバが歩行者天国だった時代なので本当に全盛期。どこのメイド喫茶の面接行くか考えたんですけど、自分の中でメイリッシュぴなふぉあと@は避けました。好きだったから。好きだから変に夢を崩すようなことしたくないなぁって思って、今考えるとここで@受けて働いてたらえいたそちゃんやねむきゅんと同期くらいだったのでは……と思いますけど私の中では「@は絶対」と思ってたので働くなんてありえませんでした。ちなみに私は@ほぉ~む茶房がすっごい好きでよく通ってた。本店よりも茶房の方に通ってた。

で、三つくらい受けたんですけど当時は本当全盛期でアイドルになりたい女の子がメイド喫茶に挑む状態だったんで上京したての田舎者には厳しかったですね。確か三つ受けて一つ受かったんですけど、正直そこまで好みではないけど日程的に合ってたから受けた的なところだったんで辞退しました、もうなくなったけど当時のあのお店すみません。こんな田舎者を受からせてくれたのに。

結局メイド喫茶でもなんでもなく「ただ推しがいたから」「コスプレするのが好きだから」という条件でコスプレ居酒屋で働き始めたんですけど、なんかもう本当コスプレしてる人が店員の居酒屋でした。コスプレのクオリティはクッソ高かったです。そこで働くためにはそれ相当の衣装を自前で用意しなきゃいけないってレベルですごかったんですけど、バイトも初めての私はひたすら(エウレカセブンの恰好で)オーダーとったりひたすら(綾波レイの恰好で)皿洗いとかしてたよ。このとき割とこの世界の闇的なものをたくさん見た気がする……オリジナルドリンクのバックとか……。

あまりにきつくてしかも学校と両立してたので、そこはやめて夏休み実家に帰ってたら母親から「最近アキバくらい中野も熱いらしいよ」って聞かされて、中野でメイド喫茶探しました。ていうかそんな情報を与えてくる母親って、相当理解ある上に私のこと完全にわかってますね。だって後々働いてたメイド喫茶に「リロの母より」って贈り物送ってきたもんな……メイド喫茶で働いてたときの名前は「リロ」でした。あ、当時は存在を全く持ってしらなかったんですけどコスプレ居酒屋で働いてた時の名前は「みりん」でした。なんでみりんだったのか思い出せないんですけど、なんか運命感じますね。

 

で、中野でメイド喫茶見つけて面接行って受かって2年くらい働きました。中野って一人暮らししてた家からすげー近くって、変にアキバに行くより相当近い。私が働いてたメイド喫茶は「アイドル目指してます!」って子がいっぱいいて、ライブにも積極的に出てて~みたいなところじゃなくて「学生だけどオタクだからメイド喫茶で働きたい」って子が多かったです。アイドルとか声優目指してる!って子もいたことはいましたけど、半分以上は「オタクとしてメイドがしたい」みたいな子ばっかりでしたし、私もその一部でした。だから2年くらいやっていけたのかなぁと思います。

今思い返すと「メイド喫茶で働いてた」って過去は相当濃いです。未だに毎日のように来てくれてた常連さんの顔は覚えてるし名前も覚えてます。もう10年経ってるのに未だに当時一緒に働いてた子たちとやり取りしてて、ツイッターに「これ○○さん(当時の常連)じゃないの……?」って人が「やばいオタク」みたいなので纏められてリツイートで上がってきたのを見たとき「ねぇこれ○○さんじゃない?」って聞いたら「私も思った!」って盛り上がってました。私は見てないんですけど、友だちが「しょこたんのイベントで元常連の○○さんを見た」とか言ってたし。コンカフェファンは喜ぶがいい、常連ってくらいになるとこっちは意外と10年経っても覚えているぞ。

当時アキバで月に一回やってたライブイベントに、うちのメイド喫茶の枠があって毎月誰かが出なきゃいけないことになってて、それにも3回くらい出たかなぁ。アイドル志望があまりいなかった上にそういう活動してる子は個人枠で出てたんで「先月私出たから○○出なよ……」「えぇ……私こういうの見る方でいい……」とかいうバトンタッチで出てました。私は2回はアイドル志望の子の相方として、1回はソロでライブしたんですけど何故か「出たからには爪痕を残したい」とか思ってて(多分アキバでアイドル活動するなんてもうこの先ないと思った)曲の最後に客席に向かってでんぐり返しで突っ込むとか、破天荒が過ぎる。

もう相当時間経ったんで言えるんですけど、当時私推しみたいなお客さんはほぼいませんでした。ていうかそもそも「私を推してほしい」願望がなかったんで、お客さんから推されるような行動何一つしてなかった。みんなが面白いって思ってくれればいいかなーって思ってただけなので、キャラとしても破天荒でお笑い担当だったなぁ。アイドル志望の子が歌うと(お店にはカラオケがあって小さいステージもありました)仕事投げ出してお客さんに混じってヲタ芸打ったり。その残党がロマモーのヲタ芸です、あれ初めて見たとき土下座とか「大の大人が馬鹿っぽい」とか面白すぎてお客さんに教えてもらいました。コスプレデーもみんなが可愛い格好してる中一人着ぐるみだったりなあ。本当ただオタクでメイド喫茶で働いてる子だったな……いやそれでも、途中でガチ推ししてくれる人ができたんですよ。すっげえ怖かったけど。

毎日遠いところから通ってくれてて、推し変が凄いってメイドの中で言われててちょうど推しからフラれたのかわかんないけど私推しになって、上記のようなアキバのライブでは私の手売り分(ノルマ)は全部その人が買う。そして常連さんに「チケット代いらないから来てくれ」と言ってくれる。私何も頼んでないんですけど、そういうこと平気でやっちゃう系の人でした。もうここらへんでうすうす感ずいてたんですけど「見返りを求めるタイプ」のオタクだったんですよね。見返りを求めるタイプ故に、それ相当のお返しをしない子は推し変するみたいな。そりゃみんなもやってくれるのは嬉しいけど、だからと言って特別扱いするわけでもないんで、推し変しまくるよな。

 

オタクって見返りを求めて推しを応援しちゃダメだよ……。

 

メイドやってた時最大の事件が「フランクミューラー事件」だと思ってます。当時腕時計欲しいなと思っててその話をなんとなくしてて(くれくれではない)フランクミューラーの時計って可愛いですよねって話したら「買ってあげる」と言われて、買ってあげると言われたものが、300万。300万円……300万円あったら……相当オタ活できる......って今は思いますけど言われたとき「これはやばいな」と思いました。この人のことだから止めないと次出勤したとき買ってきてそう、しかも300万の時計とか、見返り求めるタイプだから絶対あかんやろ、と思ってありがたいけど高すぎるし今の私には似合わないって断ったら難なく推し変されました。本当見返りを求めるタイプのオタクになってはならない。それでもその人が凄すぎて表に出てこれなかったけど、ひっそり私をずっと推してくれてた人は忘れてないです。卒業するまで私推しを貫いてくれてたんで感謝してます。

 

メイドしながらメイド喫茶に足しげく通ったり、メイド仲間とお泊まりしたり、コスプレイベント出たり、ライブで歌ったり踊ったりしたり、本当今考えるととんでもなく濃い仕事だったし、人生で一回は経験していてよかったなぁと思います。若くないと無理だしねえ、結構前に当時のメイドで集まって飲み会したとき私が「今はアイドル追いかけて私がヲタ芸打ってるよ」って言ったら「打つ側になったの!?」って爆笑されました。お店がなくなっても、店員同士はずっと仲良いし、お客さんのことは鮮明に覚えてるもんだ。懐かしいぜ。